１．案件の基本データ統計

2019年1月1日の成立以来、最高人民法院の知的財産裁判所は5,121件の訴訟を受理し、4,220件の訴訟を審決した。そのうち、2020年には、2,787件審決され、2019年に比べて1,354件増加し、前年比でほぼ95％増加した。

民事第二審の件数は1,948件、新規件数は986件増で、前年比102％増であり、行政第二審の件数は前年比429件増の670件で、前年比178％増であった。

審決した民事第二審の件数は1742件、前年比1156件増で、前年比197%増であり、審決した行政第二審の件数は前年比352件増の494件で、前年比248%増であった。

2.裁判官一人あたりのクローズ案件数と案件の平均審理期間

知的財産権裁判所の設立以来、技術的知的財産権の二審実体案件の平均審理期間を効果的に短縮し、審理の質と効率がともに改善してきた。2020年に知的財産裁判所の民事・行政上訴案件の平均期間は123日であり、これは過去の高等裁判所の平均約1年の期間よりも半分以上短縮された。

3．案件類型の統計

新たに受理した1948件の民事第二審案件のうち、発明特許権をめぐる紛争は435件、実用新案特許権をめぐる紛争は754件、特許出願権と特許所有権をめぐる紛争は163件、コンピュータソフトウェア紛争は360件、技術契約紛争は67件、技術的秘密紛争は44件、植物新品種紛争は40件、独占紛争は３０件、集成回路レイアウト設計紛争は5件、および他の種類の紛争は50件であった。

新たに受理された670件の行政二審案件のうち、622件が行政認可・確認案件、17件が行政処理案件、31件がその他の行政案件であった。行政認可・確認案件のうち、発明特許出願の拒絶査定・覆審に関する行政紛争は226件、実用新案出願の拒絶査定・覆審に関する行政紛争は18件、意匠出願の拒絶査定・覆審に関する行政紛争は2件であって、発明特許権の無効宣告に関する行政紛争は175件、実用新案特許権の無効宣告に関する行政紛争は149件、意匠特許権の無効宣告に関する行政紛争は52件であった。

4．裁判結果の統計

審決された1,742件の民事第二審案件のうち、779件は当初の判決が維持されることにより終了し、463件は撤回により終了し、158件は調停により終了し、撤回・調停率は36％であり、339件は差し戻し審判または再審により終了した。差し戻し審判・再審率は19％で、他の方式で終了したのは3件であった。

審決された494件の行政第二審案件のうち、430件は当初の判決が維持されることにより終了し、22件は撤回により終了し、撤回率は5%であり、39件は差し戻し審判または再審により終了した。差し戻し審判・再審率は8%で、他の方式で終了したのは3件であった。

5.外国関連、香港、マカオ、台湾関連案件の統計

2020年には、裁判所は合計376件の外国関連、香港、マカオ、台湾関連の訴訟を受理し、受理案件総数の12％を占め、前年比で116％増加した。その中には、228件の民事第二審案件と148件の行政第二審案件があった。

裁判所は合計281件の外国関連、香港、マカオ、台湾関連の訴訟を審決し、審決案件総数の10%を占め、前年比で187%増加した。その中には、185件の民事第二審案件と96件の行政第二審案件があった。

6．案件の全体的特徴

裁判所は、戦略的新興産業関連の案件を478件受理し、受理案件総数の13％を占めた。

そのうち、新世代の情報技術産業関連が276件、生物医学産業関連が94件、高級機器製造業関連が50件、省エネ・環境保護産業関連が33件、新材料産業関連が21件、新エネルギー産業関連が3件、新エネルギー自動車産業関連が1件であった。

技術関連の知的財産案件を審理する全国統一最終裁定機関として、知的財産裁判所は、2020年に受理した戦略的新興産業に関連する案件は案件総数の8分の1以上を占めていた。

その中で、Huawei　Inc.VS Convenson　Inc.の標準必須特許訴訟の場合、裁判所は、民事訴訟法の行動保存システムを創造的に使用して、中国の知的財産権の分野で初めて「訴訟差止命令」性質の保存裁定を行い、初めて日数罰金の措置を適用して、当事者がグローバル的で包括的な和解合意に達することを直接促進し、私の国の国益、司法主権および企業の正当な権利と利益を効果的に保護した。

同時に、知的財産裁判所は懲罰的損害賠償などを適用することにより、悪意のある侵害行為を厳しく取り締まった。「カボ」の技術的秘密の侵害による懲罰的損害賠償の場合、懲罰的損害賠償の法定最大倍数を最大5倍に適用して判決を下し、補償額は3000余万元に達し、これは最高人民法院による最初の懲罰的補償判決であった。「バニリン」技術的秘密の侵害に対する高額の補償の場合、各侵害者が技術的秘密の権利者に対し1億5900万元を共同で補償するようと宣告され、これは我が国の発効した、商業秘密への過去最高額の補償案件であった。

「将来的には、われわれは知的財産の損害賠償への取り組みをさらに強化し、高額の賠償案件が増えるでしょう。」という郃中林の話であった。

Xinhuanetによる

2021年2月21日